岩手県の中央に位置する花巻市で、あるデパートが惜しまれつつその歴史を閉じようとしています。
2016年6月7日に閉店を迎えられます、マルカン百貨店です。
一般にマルカンと呼ばれ、特に6F展望食堂は全国からファンが押し寄せるほどです。
いわてスターブランドではこの度、マルカン百貨店の閉店後に、この事業を新たな形で存続するために必要な寄付を集める目的で、【寄付つき】マルカン応援ワインをセットにて販売いたします!
ワイン1本の売上につき200円(本セットでは計400円)を、マルカン百貨店の持続可能な運営のためご尽力されている、株式会社上町家守舎さまに寄付させていただきます。また同時に、1個につき100円の寄付ができる【寄付つき】マルカン食堂ソフトクリームストラップを先行予約販売します!(ストラップ予約購入ページはこちらです)
※大変混雑が予想されるため、発送完了にしばらくお時間をいただく可能性があります。
予めご了承くださるようお願いいたします。
ワインの醸造は岩手県大迫町のワイナリー、エーデルワインさんが手掛けます。
オーストリアのウィーンで開催された国際ワインコンクールAWC2015では、エーデルワインのフラッグシップとも言うべき【ハヤチネゼーレ】シリーズから、メルロー樽熟成2012ヴィンテージが見事金賞受賞を果たすという快挙を成し遂げられ、いわてが世界に誇るワイナリーさんです。
⇒いわてスターブランドでの現在取扱い商品は、こちらのページでご紹介しております。
(が、上記メルロー樽熟成2012は好評につき完売しております。。)
今回のマルカン応援ワインは、キャンベル種のロゼ、ナイアガラ種の白。
どちらも口当たり軽やかに爽やかな甘さが優しい、どなた様でも飲みやすいボトルとなっています(アルコールも控えめです!)。
■マルカン応援ワイン【ナイアガラ】
ナイアガラ独特の華やかな果実香とまろやかな甘さが特徴のフルーティな甘口タイプの白ワイン。
デザートワインにぴったりです。
味 :甘口
品種 :ナイアガラ
原産地:岩手県産
容量 :360ml
栓 :スクリューキャップ
アルコール度数:9.5%
公式キャッチフレーズ:初恋のようにキュンとする味。ソフトクリームにも、きっと合う。
■マルカン応援ワイン【ロゼ】
品種の特徴を最大限に生かした、華やかで優しい苺に似た香りとさっぱりとした味わいの甘口ロゼワインです。
こちらも、デザートワインとして気軽にお楽しみいただけるタイプです。
味 :甘口
品種 :キャンベル
原産地:岩手県産100%
容量 :360ml
栓 :スクリューキャップ
アルコール度数:9.5%
公式キャッチフレーズ:優しさに包まれる懐かしい味。ナポリカツにも、きっと合う。
■ワインの保管について
ワインの品質を劣化させる一番の要因は、温度変化。
保管温度は12〜14℃が最も好ましく、ワインセラーがあれば申し分ないのですが、ご家庭であれば発泡スチロールに入れ、北側玄関の物置など屋内で最も温度変化の少ない場所を選んで保管してください。
また、振動や光、低湿度も避けたい要因です。
夏場は冷蔵庫の野菜室なども良いですが、モーターの振動や開け閉めによる温度変化は長期保存に適していません。
いわてスターブランドは、『岩手の本当に良いもの』を多くの方に感じていただき、新しい発見や感動を伝えたいという想いから、一流の生産者や商品をご紹介するサービスです。同時に、そういった品が生み出されてきた文化や背景をお伝えしていくことも、重要なミッションと考えています。
今、その長い歴史に幕を引く百貨店と、この場所を愛する人たちが紡ごうとしている物語を、販売という形で微力ながらも支えたい。そして、皆さまに『あたらしいいわて』としてのマルカンを、再びご紹介できる日を実現するために、本商品の販売をスタートしました。
ここで、マルカン百貨店をご存知でない方にも、今岩手に生まれている大きな"うねり"について、ひとつの読み物として何か感じていただければ幸いです。
地域に温かく寄り添う、花巻市のシンボル
岩手県花巻市、上町(かみちょう)と呼ばれる昔ながらの商店街に、ひときわ大きな建物が佇んでいます。
創業60周年を迎えるマルカン百貨店は、上町商店街の要として地域に寄り添い続けてきました。
立体駐車場で勝手な位置に車を停めようものなら、係りの方に怒られてしまいます。しかしそれがまったく嫌みがなく、独特な雰囲気で駐車位置を指定されると、不思議と安心感に包まれます。駐車場を抜けた裏手の入口では、毎年寒くなると1坪ほどのスペースに焼き芋屋さんが出現。甘く香ばしい匂いは、冬の風物詩です。
地下には食料品売り場、『上りしかない』エスカレーターを昇ると、1〜5階には衣料品や生活用品、学校指定のジャージや制服がところ狭しと並び、またエレベーターで上がる7階にはレトロなゲームセンターと、いつも何かやっていた気がする催事場が。
そして6階には、大きな窓ガラスから市内が見渡せる大展望食堂が1フロアを占めます。
食券売り場の前には両側にガラス張りで、和洋中豊富なメニューと鮮やかな食品サンプルがてっぺんまで並んでおり、つい目うつりしてしまってメニュー選びに迷います。
フロア内には大勢のお客さんの歓談と、昭和風の制服に身を包んだウェイトレスさん達の、『中華ご注文の方〜!』という声が飛び交い、常に賑やかです。
多くの市民が、この場所で青春の味を知りました。
ナポリカツで口の周りを真っ赤にして、ここで初めてパフェを食べ、巨大なソフトクリームを割り箸でつつき、名物のワッフルをおみやげに買って帰る―。
そんな、まるでアルバムの中の1ページのようなシーンが、ここにはいつもありました。
まさに市民のシンボル的な、老若男女が集う憩いの空間として在り続けてきた百貨店です。
このマルカン百貨店が、建物の耐震性の課題によりその60年の歴史を閉じます。
マルカン閉店、しかしその愛され続けた文化を絶やさないために
このニュースに、花巻市民だけでなく岩手県にゆかりのある方の多くが肩を落としました。
いつも当たり前にそこにあると思っていた存在が、なくなってしまう。
誰もが、厳しい現実を知り、大きなショックを受けました。存在があまりに身近すぎて、株式会社マルカン百貨店の皆さまにおける積年の経営努力に、私たちはすっかり身をゆだねてきたんだな、ということをこの時になって実感したのです。
しかしこの報道は、大きな波紋を呼ぶことになります。
地元、花巻県立北高校の生徒さん達が立ち上がり、『マルカンプロジェクト』と題して、マルカン食堂存続のため3ヶ月間の署名活動を行いました。屋内外問わず、またインターネットも駆使して精力的に行動する姿に、全国のマルカンファンが応えてくれました。
集められたその署名の数、なんと約10,000人分!
これに並行して、花巻市でリノベーションまちづくりに取り組まれている、株式会社花巻家守舎さんがマルカンの運営引継ぎを検討されました。将来的に持続する運営形態、および耐震その他の補強工事にかかる費用面を試算し、どうしても不足する資金については全国の皆さまから寄付を募る活動を始めています (詳しくは、花巻家守舎代表の小友康広さんのこちらの記事をご覧ください)。
現時点で、運営引継ぎが決定しているわけではありません。
まだまだ解決しなければならない部分(特に費用面)が大きく、賛同者が集めれられないと実現は難しいと言えます。
高校生の皆さんがエネルギーを注ぎ、ファンの声を集めて花巻家守舎さんへと紡いだこの灯を絶やさないよう、皆さまからの寄付を募る活動にインターネット販売という形で貢献したく、いわてスターブランドでも取り扱わせていただくことになりました。
今は遠方にお住まいでも、マルカン百貨店に思い入れのある方には、是非こちらでご購入を検討いただきたく思います。
地域と共に歩んできたこのデパートが、皆さまのお力添えにより新しい形でその歩みをスタートし、再び多くの方に愛される存在として続いていく日々が来ることを心より祈ります。